
◆棒状石器
挿し絵や画像を探してインターネットで検索すると弥生時代のものらしい。沼島の諸先輩方、長老たちは縄文時代のものという。私は常々、ネットの情報がいつもすべて正しいとは思っていないので、縄文時代の遺物として解説していきます。
長さは15cmくらいのものや30cmくらいのものなど様ざまですが、太さはどれも約2㎝の円柱型をしています。同じような石器が淡路島でも見つかっているそうで、研究がすすみ、使用方法や使用目的が分かってきています。これらすべては塩を作っていた場所、製塩所跡地から発見されています。どうやら塩作りの道具だったようです。当時の塩作りは海水を煮詰めていました。細かな作業工程は諸説あるので省略しますが、メインとなる工程は海水を煮詰めることでした。液体を温めて煮詰めるという作業中に突沸という現象、つまり事故が起こることがあります。この突沸を防ぐために使われたのが、この棒状石器といわれています。ところで、突沸という現象をご存じですか?ご家庭でお味噌汁の温めなおしなどでも注意が必要だそうです。液体を温めていくときに混ざっていないと、中心付近は熱く、周囲はぬるい状態になることがあります。このまま温めて続けると、爆発的に一気に沸騰し危険です。縄文時代の人たちは突沸を防ぐために、煮詰める海水に始めからこの石の棒を入れていました。石の表面のざらざらから対流ができ、突沸を防いだといわれています。
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